生成AI活用FDセミナー第3弾「研究における生成AIの活用方法」を開催しました

公開日 2025年12月17日

2025年12月11日、出雲キャンパス国際交流ラウンジにおいて、生成AI活用FDセミナー第3弾(研究)「研究における生成AIの活用方法」を開催しました。10月30日に開催された第1弾、11月12日および27日の第2弾、12月2日の第3弾の1回目に続き、今回は計67名が参加しました。セミナーは対面とウェビナーのハイブリッド形式で行われ、会場には13名、オンラインでは54名が参加しました。

本セミナーでは、学長特別補佐(医学研究担当)?医学部特任教授の浦野健氏、生物資源科学部教授の清水英寿氏を講師に迎え、研究における生成AIの活用可能性について、具体的な事例と実践的な手法を紹介しました。

浦野氏は、まず令和7年10月21日に制定された「島根大学における生成 AI の利用ガイドライン 」の内容を踏まえ、「生成AIは正誤判定を行うことが出来ず、確率的に可能性の高い単語を選ぶ仕組みであるため、ハルシネーションが生じる」という基本的な特性について説明されました。そのうえで、利用に際しては「自分の責任で使うこと」が重要であると強調されました。入力したデータの保存先や他者による閲覧リスク、AIの学習対象該当可否の確認、ISMAP(政府のセキュリティ評価制度)を参考にすることなど、セキュリティ面での注意点も具体的に示されました。

さらに、Google NotebookLMの活用事例として、PDFを読み込み、質問に応じて内容を分析し、音声や動画を自動生成する機能が紹介されました。NotebookLMは読み込んだ資料を基に回答を作成するため、ハルシネーションが起こりにくく、専門的な論文を一般向けにわかりやすく説明するスライドや解説音声を短時間で作成できる点が特徴です。移動中に音声で内容を確認し、その後文章を読むことで理解が深まるなど、短時間で効率よく情報を収集?理解できる有用な活用法が示されました。また、ChatGPTとGenspark AIを組み合わせた情報収集ワークフローも紹介され、DeepResearchで出力されたデータをGenspark AIに入力することで、完成度の高いスライドが生成できるなど、活用事例の紹介がありました。

清水氏は「生成AIとの向き合い方」に関する見解を示され、AIを人間に喩える表現を用いながら、その膨大な知識量と高速な処理能力を有する一方で、過剰な肯定、情報漏洩、ハルシネーションといった潜在的なリスクが存在することを指摘されました。これらの特性を踏まえ、適切な距離感を保ち、最終的な判断および確認は利用者自身が行うことの重要性を強調されました。

また、Copilotを活用する際のプロンプト入力のポイントとして、対象と目的を明確にすることで構造化された指示になりやすいこと、さらにMarkdown記法を活用することが紹介されました。加えて、これらのポイントを踏まえ、申請書作成支援への具体的な活用方法についての紹介がありました。

今回のセミナーでは、生成AIの基本的な特性から、研究の実践の場での具体的な活用事例、申請書作成支援まで幅広い内容が取り上げられ、参加者にとって実践的な知見を得る機会となりました。

本学では、今後も生成AIの発展的な活用事例紹介やハンズオンなどのセミナーを継続的に開催してまいります。

浦野先生の講演の様子 清水先生の講演の様子  

 

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