第109回島根大学総合博物館市民講座「古代製鉄からみた出雲と吉備」を開催しました。

公開日 2019年03月19日

 3月16日(土)、第109回島根大学総合博物館市民講座「古代製鉄からみた出雲と吉備」を開催しました。この講座は、平成30年度島根大学総合博物館市民講座第2ステージ「古代出雲と諸地域の交流を探る」(まつえ市民大学連携講座) の第3弾です。

 今回の講師は、角田徳幸先生(島根県教育委員会?島根大学嘱託講師)が務め、古代における出雲と吉備の製鉄について解説しました。
 足球即时比分列島で最古に位置付けられる製鉄炉として確実な事例は、6世紀後半の千引カナクロ谷遺跡(岡山県総社市)があげられます。ここでは、鉄鉱石を原料に製錬を行った製鉄炉が見つかっています。こうした製鉄技術は、三国時代の沙村遺跡(韓国慶尚南道)などの事例からみて、朝鮮半島から伝わってきたようです。
 吉備では、191基もの古代製鉄炉跡が見つかっていて、中国地方のなかでも集中的に製鉄が営まれていたようです。しかし、高品位の鉄鉱石は次第に枯渇していったため、鉄生産が衰退していきます。
 これに替わって、古代末から中世以降、砂鉄を原料とした製鉄が盛んになっていくのが、山陰側の出雲や石見地域です。これは良質な砂鉄が、この地域で大量にとれるためです。製鉄炉やその地下構造が大型化?複雑化されるなどの改良が加えられ、近世たたら吹製鉄へと展開していくのです。
 講座では、参加者の皆様から、「なぜ製鉄技術が最初に吉備に伝わったのか?」「砂鉄にも種類があるが、製鉄炉の構造に違いがあるのか?」など、活発な質問が寄せられ、製鉄についての関心の高さがうかがえました。

?講座の様子?

  次回は、3月23日(土)、第110回市民講座「弥生時代の出雲と吉備の交流」です。多くのご参加をお待ちしております。

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